連続シンポジウム「21世紀型『ゆたかな社会』を求めて」最終回が開催されました
連続シンポジウム「21世紀型『ゆたかな社会』を求めて」最終回が開催されました
12月5日(土)、連続シンポジウム「21世紀型『ゆたかな社会』を求めて」最終回が、日本を代表する経済学者のお一人である京都大学名誉教授橘木俊詔先生を基調講演者にお迎えして開催されました。橘木先生の基調講演は「『ゆたかな社会』構築に向けて」をテーマに、以下の要旨で展開されました。
近年、日本の経済は低いながらも成長しているが、日本人の幸福度は低下しつづけている。
成熟社会にある日本では、経済成長はほどほどにして、心のゆたかさの成就を目標としたい。
経済成長は必然的に格差を拡大するという宿命にある。
しかし経済の効率化と公平性は、やり方によっては同時に達成することも可能である。
その好例は現代の北欧諸国にみられる。
日本も公平で効率的な社会を目指したい。
基調講演に続いて、臼田信行中日新聞編集局長、深田実中日新聞論説主幹のお二人と橘木先生との公開討論が行われました。
臼田局長からは、「会社社会」から「市民社会」へ、深田主幹からは、「ゆたかな時代」に望まれる「はたらき方」をテーマにご提言がありました。
その後の討論では、1.安全、安心で公平な社会実現にむけて、2.定常型社会における新たな需要の創造、3.グローバル化の進む21世紀社会における「こころのゆたかさ」と「はたらき方」などをテーマに討論が行われました。
結論として、21世紀の「ゆたかな社会」とは、日本人のはたらき方を見直し、家庭、地域、環境、自然に一層配慮し、かつ安全、安心、公正な社会の構築が望まれること。それが結局、経済の効率性にもプラスに作用することで意見の一致をみました。
連続シンポジウム最終回となった今回は400名を超える皆さまにご参加いただきました。最後まで熱心にご聴講いただいた皆さま、ありがとうございました。